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雑記

あれよあれよと言う間にすっかり10月も末になってしまいました。

今回も秋のヘッドフォン祭りに参加する予定で、空いた時間を使って準備を進めておりましたが
本業の方の納品の予定と重なってしまい、今回は出展はおろか一般参加さえ不可能な状況になってまいりました。

今回の出展に合わせて作成を進めておりました「アンティークヘッドフォン分解レポート」なる怪文書に関しましては、次回の「春のヘッドフォン祭り」にて持ち寄ってみようかと思います。

当初出展予定で動いてくださいました関係各位、及び主催者様にこの場をお借りしてお詫び申し上げます。
(※主催者様には出展不可になった段階で連絡致しました)

以上、宜しくお願い致します。


アンティークヘッドフォン友の会 
与野本町支部長 LASH238M

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VICTOR HP-1000

Victor HP-1000 TOP


型式:HP-1000
年代:1974年
再生周波数:20~20KHz
形式:ハイベロシティ型
振動板:39mmマイラー型
価格:12000円
その他:インピーダンス1KΩ

ゴールデンウィークがついこの間終わったと思ったら、時はすでに6月突入。
なぜか分からないが忙しい日々に追い立てられ、中々趣味に走る事もままならず日々を忙殺されております。
そんなわけで久しぶりにご紹介するのはこちら、VICTORのHP-1000。

冒頭の紹介にも書いてある通り、インピーダンスがちょっと高い。普通一般の機種と比べて2桁ほど。
昨今の高級ヘッドフォンに勝るとも劣らぬその数字を前にすると、「大きい事はいいことだ!それ!」という某CMの台詞が筆者の脳裏を掠めてしまい、ついぞ「エール独走!」と走り出したい衝動に駆られる(※1)。
だが、このCMが流れていた頃にはこのヘッドフォンはまだ存在しておらず、筆者にいたっては1980年代の就職氷河期末期世代なので生まれてすらいなかった。

さてさて、ヘッドフォンがハイインピーダンスになるとどうなるのであろうか。
一般的にはノイズに強いが十分な出力が無いポータブルアンプなどでは音量が取りにくく、どことなく音がスカスカになって鳴らしきれないというような傾向があるように思える。

筆者宅にて未だ現役で頑張る「NAPOLEX modelHA-5」では、ほぼフルスロットルでの運転でようやく実用十分の音量が確保できる位だ。
構造的にはダイナミック型であるはずなのに、鳴りにくさに関してはAurexのエレトレット型にまったく引けを取らない。
また、当時はヘッドフォン専用のアンプは少なく基本据え置き型のヘッドフォン端子から出力を取る形であったため、保護抵抗により音声信号が減衰することを防ぐためにハイインピーダンスになったとかならなかったとか。

そんな訳で当時はオプションにてインピーダンスマッチング用のアダプターも売っていたようだ。
だが、残念な事に今回はヘッドフォン本体しか手に入らず、アダプターは入手できなかったので何とかNapolexに頑張ってもらう事にする。

そして次に気になるのは「ハイベロシティ型」という単語である。
昨今では聞かなくなったこの形式であるが、要するに「開放型」の派生系の古い言い方らしく構造的にはダイナミック型と同系列にあたる。特性としては、振動板の振幅を大きく取れるようにしたものをベロシティ型と言い表したらしく、それによって低域成分をなるべく稼ぐような構造になっている事だ。
ハイインピーダンス仕様と言いベロシティ構造と言いどうにも低域をなるべく減衰させずに開放型を目指して作られた機種のように思える。


ハウジングデザインは卵を半分に切断したような形で意外とカワイイ形をしている。
中心部の約17mmの穴とその周りを囲んだ約2mmの開口部が設けられており、メッシュ張りとなっている。生産から30数年経っても光り輝くハウジングの材質はおそらく金属製であろう。
イヤーパッドはこの時代に良く見られる、板スポンジをメッシュ地の袋で覆ったものなのだが、ハウジングサイズと比較すると残っているスポンジのサイズがかなり小さい事が分かる。
これについては諸説色々とあるが、OTTOのE-310などと同じようにこのスポンジの周りに別の素材のスポンジが入っていた可能性が高いだろう。それがスポンジ材質の劣化性能の差で粉々に砕けてしまい中心部のスポンジだけ残ったのだろう。

Victor HP-1000 ブンカイ
HP-1000を分解した図。オレンジのスポンジと共に大量の粉体スポンジが流れ出てきた。

イヤーパッドが半分なくなっている為、このまま使っては当時の性能を100%発揮する事ができないのではないだろうか?
そこでイヤーパッドの修復/復元に使ったのがとある黒い板スポンジである。
これについては筆者が思いついたものではなく、友人のMr.ねこ氏からの提案である。
(Mr.ねこ氏、情報提供ありがとうございます)

イヤーパッドの修復工程としては簡単である。まず開口部全面と同じサイズにスポンジを切り取り、耳に当たる側の外周面取りを行う。そして中心部に残存スポンジがそっくり収まる大きさの穴を開けるだけ。10分も掛からない簡単な作業だ。
スポンジを切断加工する際は良く切れるカッターか剃刀(※2)などを使うと良いだろう。刃こぼれのある刃物で加工すると、その部分が引っかかって仕上がりが悪くなってしまう。出来るだけ刃零れの無いものか新品を用意したい。無論の事だが誤って自身まで切らないよう細心の注意も必要だ。
仕上がったスポンジを組み合わせると、外周部は高密度の、中心部には低密度の二つのキャラを持ったイヤーパッド、すなわちダブルキャラスポンジが出来上がる。
装着した際は密度の高い外周部のスポンジが広く当たり適度な反発力で耳に接するため、耳たぶに対しての負荷分散が行われ側圧が多少強めであっても全く苦にならない。尚且つある程度の遮蔽性が期待できる為、必要以上の音の広がり・逃げを防ぐ事も可能だろう。
そして実質的に音が通過する中心部付近は低密度になっている為、通過音に対する変質性が少なくユニットからの音をなるべくそのままで伝えてくれるようになっている。

Victor HP-1000 スポンジ
家庭内手工業の為、少々歪ではあるが使用に際しては全く問題は無い。

なるほど、昔の人は良く考えたもので非常に感心してしまう。
外周部のスポンジが全く残っていなかったので、想像するにとどまってしまう所なのだが、きっとこういう構造をしていたのではないだろうか。


今回は視聴にあたって「超時空コロダスタン旅行記」より「逆さ賢人・イーガス」を選曲した。アポジー&ペリジーは昔ニッカウィスキーのCMに起用されていたのでご存知の方もきっと多いに違いない(※3)。
最近になって漸くこの再販CDを入手できたのだが、この曲には一発で持っていかれてしまった。
明るくテンポのよいメロディ、そして森の木児童合唱団の無垢な歌声とキレのある歌唱力。
テクノポップ調童謡とでも言い表したらよいのか、兎に角久しぶりのヒットであった。

さて、イヤーパッドも絶好調になったのでさっそく視聴に移ろう。
聞き始めてまず感じるのは中域が延びすぎて輪郭がぼやけ気味というかサチっている様に鳴ってしまう所だろうか。
曲調の為かボーカル部分でより顕著に感じられるのだが、メロディに関しても同じ傾向で中~高にかけての部分で若干鳴り方に違和感を感じなくも無い。
低域はハイベロシティ型とだけあってか当時の開放型にしてはわりと健闘しているが量の不足感は否めない。だが、質感は良いので視聴する曲によっては評価が分かれるだろう。
高域に関しては薄く膜が掛かったような感じでもう一歩頑張って欲しかった。全体のバランスは低中よりのカマボコ型に近いだろうか。
応答性は比較的良好なのでテクノポップ調童謡でもバッチリ聞く事ができるが、どちらかというとゆったりとした曲のほうが合いそうな音質だろう。
女性ボーカルよりは男性ボーカル、ロックよりは演歌やフォークが似合うかもしれないので、試しに「青春歌年鑑1968」よりフォーク・クルセダーズの「青年は荒野を目指す」を聞いてみた所、ボーカルがマイルドに伝わり、かき鳴らすギターがとても魅力的に響く。音数も比較すると少ないため、個々の音がシンプルに聞き分けられ臨場感すが大幅にアップする。1トラック前の「悲しくてやりきれない」では涙すら流れるかと思うほどであった。

すでに中年に足を踏み入れた筆者であるのだが、思わず荒野を目指して駆け出したい心境になってしまう。
もちろん「エール独走!」と叫びながらだ。


ヘッドフォンの製造年代的にはこちらの曲に近い為、設計思想と曲の構成が近かったのだろう。
やはり時代にあったものとの組み合わせは重要なのかもしれない。

Victor HP-1000 オマケ_スポンジクズ
オマケ ハウジング内から出土されたスポンジクズ


※1 山本直純氏作曲の「森永エールチョコレート」より。おいしい事はいいことだ!
※2 筆者はよく貝印の安全剃刀を使っている。
※3 同アルバム収録の「月世界旅行」がCMに使用された曲で、こちらも言わずもがな名曲である。

春のヘッドフォン祭り2011

祭り1


ども、こんばんは。与野本町支部長のLASH238Mです。

先週行われましたヘッドフォン祭りにおきまして、当ブースへ来訪していただいた方ありがとうございました。
出展に協力してくださったスピードの素氏・キワモノ氏、今回もご協力ありがとうございました。
休み明けより仕事が立て込んでしまい、更新が遅れてしまいました。

さて、このたびの展示に関してですが、年明けより本業が非常に忙しかったため殆ど何も出来ず、コンセプトも何も無いただの実記展示になってしまいました。
それでも沢山の方々が来訪してくださり、また常連の方には頭の下がる思いであります。

祭り2

今回の展示にて印象に残った事と言えば、メーカーの方も何社か来られたのですが、その中でも某メーカーの方は、「おぉ、うちってこんなヘッドフォン作ってたのか」とバシバシ写真を撮って帰った後、別の社員を連れて戻ってくる、といった事がありました。
その他、メーカーの方から当時の話などを拝聴でき、とても興味深かったです。

また、足を運んでくださった方からは「STAXの古いのとかってある?」や「動電駆動型ありますか?」といった質問もチラホラと・・・
えぇ、もちろんあります!
次回は出展のラインナップに組み込みますので、次回をご期待ください!


そして配布資料関係ですが、本来ならば↓のようなものを作成予定しておりましたが、今回はとてもやっている暇がなかったため次回の祭りに間に合わせて、そこで希望者に配布でもしようかと思います。

分解レポート

趣旨としては、「どうせ修理やメンテナンスで分解するんだから、その手順を記録して纏めてみればいいじゃない」と言う感じの、ある意味修理記録のような感じになります。
買ったけど鳴らない・分解の仕方が分からない・壊しそうで手が着けれない、といった方のお力になれるような内容になったらいいなと思います。
内部構造等も紹介できたらと思うので、内部機構に興味がある方にも勧められる内容にしたいと思います。

修理記録 その参 PIONEER SE-300

PIONEER SE-300

型式:SE-300
年代:1975年
再生周波数:20~20KHz
形式:圧電ハイポリマー型
振動板:6.5μm圧電素子
価格:6000円
その他:振動膜については呉羽化学との共同開発らしい

ついさっき修理完了したので、ついでに更新しようと思う。
撮り忘れたため写真はあまり良いアングルのものがなかった。

本機は圧電素子という変わった振動膜を利用したヘッドフォンである。
膜に交流電流を掛けると左右に振動するが、その膜を湾曲させると振動が前後になりその振動で音を出すとの事らしい。その為にハウジングが妙な形に反り返っているらしい。
その為、分類的には全面駆動型になるとのこと。
いわゆるダイナミック型の修理は色々としてきたが、全面駆動型の修復は殆どやった事がない。
今回は圧電素子というさらに変わったタイプなので、色々と試行錯誤して修復作業を行ってみようと思う。

さて、まずはともあれ今回の症状は下記になる。

①右Chが全く鳴らない

さて、まず真っ先に疑うべくはケーブルの導通である。
端子の酸化やケーブルの断線で鳴らないのならば、ケーブルの張替えだけで事足りてしまうので修理は比較的容易に行える。
早速分解してみた所、何だか妙な形のユニットが姿をあわらした。

PIONEER SE-300ユニット
はじめてみる形のユニットである。四角い。

反り返った四角に箱の中央付近にぽっかりと明いた開口部。これが圧電素子ユニットの正体か。
早速テスターを取り出しユニット根元と6.5mmステレオプラグの導通をチェックすると、GND・信号共に全く問題なし。構造をつぶさに確認した所、どうもこの箱自体が電極の役割をしているらしく穴が開いているほうが信号用電極、裏側がGND電極をかねているらしい。
原理的には膜自体にそれぞれの電気信号を掛けているはずなので、ステレオプラグ⇔振動膜の導通が確認できるはずである。
まずはGND側からチェックしてみると、思ったとおりプラグのGNDと裏面の振動膜の導通が確認された。次にプラグの右Chと表面の振動膜の導通をチェックしてみると・・・・
ビンゴ、どうやら表面の電極箱が振動膜から乖離しているのが原因なのではないだろうか。
試しに電極箱に接続されているケーブルを振動膜にじかに押し当ててみると、ユニットからは正常に音が出だしたではないか。
よくよく観察してみると、開口部に向かって右側に電極箱と振動膜を接続している金属ペーストのようなものが存在する。恐らく経年劣化や酸化等によってペーストにひび割れが発生し、電極と振動膜が断絶してしまったのが原因だろう。
だが、これが金属同士の接続なら半田で止めてしまえばよいのだが、今回はアルミ+高分子フィルムの組み合わせな上、露出している膜部分には絶縁体となったペーストがべったりと付着している

色々と考えた結果、「新しく接点を作成しそこを経由して電荷を掛けてみよう」と言う結論に達した。

PIONEER SE-300膜
殻割りした圧電素子ユニット。マジックの赤丸は元から書かれていた。何かの検査チェックだろうか。

用意するものはアルミテープ(※1)と絶縁用のマスキングテープの二つ。
アルミテープは細長く切ったものを真ん中から折って張り合わせる。
次に信号ライン側の穴の開いた電極箱を引き剥がす。この時確認したのだが、振動膜と電極箱の間には厚紙が挟みこまれており、ペースト部分以外は絶縁状態になっているらしい。
先ほど作ったアルミ電極を振動膜の端っこに貼り付け、ちょうどその部分に当たる電極箱側の厚紙を剥がしてやすりがけを行いアルミの地金を露出させる。

PIONEER SE-300電極
電極をセット。念のためセットした電極と振動膜の導通もチェックしておこう。

そしてこの二つを組み合わせれば完成のはずである。が、その前に、構造上裏面と表面は絶縁されている必要があるため、念のため四方をマスキングテープで簡単に絶縁処理を行っておこう。
そこまで行ったら、再度組み合わせてもとの状態に戻し、ケーブルを接続すれば音が出るようになるはずである。

試しに分解したままの状態でアンプに接続し、曲を流してみた所問題なく音が出る事が確認された。音量レベルも左Chと変わらずかなり良好な結果だ。

音だし確認まで行ったら後は組上げて全ての作業は完了である。
ただ、ここで気をつけたいのは、「ばらした時は鳴っていたのに、組上げたら鳴らなくなった」という問題だ。筆者も色々と修復してきたが、たまにこの問題に悩まされる事があり、わずらわしい事この上ない。
そんな事を考えつつドキドキしながら組上げて視聴テストを行った所、これまた全く問題なしに音が出る事を確認できた。
全面駆動らしくサラッとした素直に伸びる中々良い音を奏でてくれる。ユニットを分解して再組み立てを行ったのでバランスの崩れも懸念されたが、どうやら杞憂に終わったらしい。
最終確認も無事に済んだので、これにて修復作業は完了としたい。


今回は圧電素子型ヘッドフォンと妙な形式のヘッドフォンなので修復は無理かとも思われたが、男は度胸、何でもやってみるものである。

※1 ホームセンターで売っているキッチン目張り用とかのアレ。筆者は日東電工のテープが好きである。

修理記録 その弐 KOSS A/200

KOSS A200

KOSS A/200

型式:A/200
年代:1997年
再生周波数:18~25KHz
形式:セミオープン型
振動板:36mmダイナミック型
価格:35000円
その他:インピーダンス60Ω ユニットハウジングはポータプロ系と同じ形状


本機はあまり古くないのだが、折角修理したので記事にしてみたいと思う。

KOSSは現行のヘッドフォンブランドでは最も好きなブランドである。
終わってしまったメーカーを含めるとOTTO(※1)が一番好きなのだが、現行のメーカーではKOSSになるだろう。特にフラグシップモデル?に当たるESP/950は一度聞き出すと寝るのが惜しくなるほど大好きである。

今回はそんな愛してやまないKOSSよりA/200の修復作業記録をご紹介したい。
本機は兼ねてより一台は欲しかった90年代の傑作機、A/シリーズの中堅どころに当たる。
シリーズとしては3機種ラインナップされており、ローエンドはA/130・ミドルエンドはA/200・ハイエンドはA/250となる。
A/250と全く同じハウジングデザインをしたESP/950と言う機種もあるが、こちらは純コンデンサ型ヘッドフォンとなっており、形式的にはこのシリーズには含まれないような気もするが、他メーカーなどの往年のシリーズを見てみると最上位機種にコンデンサ型を配置したりする事もあったので、一応ESP/950もこのシリーズに含まれるという見方も出来るだろう。
形式はそれぞれ、A/130が密閉型・A/200および250が半開放型、そしてESP/950がコンデンサ型となる。

ハウジングサイズはA/130・200系とA/250・ESP950系で異なり、前者は約120mm後者は約140mmとなっている。
外見は似ているがスペックごとの住み分けはきちんとされているようだ。

さて、前置きはここまでとし、本題に移ろう。
今回も修理記録と銘打ってある以上、このA/200には不具合がある。
どのような不具合かと言うと

①右Chの音量が小さい
②右Chの音が割れ・ビビリがある
の2点である。

ただ単に音量が小さいだけならばケーブルの酸化や断線しかかり等が考えられるが、音が割れると言う症状はユニット側、特に振動膜側の問題である事が多い。
この二つの症状が異なる別のトラブルから起きているのか、一つの共通したトラブルから起きているのか問題を切り分ける為まずはテスターを用いてケーブルの導通や抵抗を測って見ることにした。
まずはイヤーパッドを取り外し、4本ある螺旋を緩めて開腹を行うと比較的簡単にスピーカーユニットを拝む事ができる。そのスピーカーユニットハウジングの形状は往年の名機ポータプロの色違いバージョンのようだ。ポータプロのユニットの中央部にあるハンガーとの接続部分を折り取って詰め込んだような形なので、最悪の場合はポタプロ系のユニットを入れて遊んでみるのも一つの手としては面白いかもしれない。
ユニットは接着剤で固定されているので、まずはボンドを剥がしてユニットを取り外し、ケーブルのチェックを行ってみる事にしよう。

KOSS A200分解

今回も前回紹介した三和電気株式会社のテスター、CD721(※2)を用意して測定をしてみた。
ざっとテスターにて測定してみた所、ケーブルに関しては断線している箇所も抵抗になっているところも見受けられない。とすると、破損箇所はユニット側の線が濃厚になる。
ユニットに問題があり、その症状がビビリ音とすると考えられる一番の原因は振動膜が何かに接触している事である。
試しに表面の振動膜保護プレート?を取り外した状態でアンプに接続し曲を流してみたが、全く問題なく鳴らすことが出来た。音量レベルも特に問題はなくビビリ音も発生しない。
その後つぶさに振動膜周辺を調べてみた所、どうやら経年劣化か何かで振動膜が浮き上がってしまっているようだ。その為、保護プレートに接触してしまいビビリ音の発生および音量低下を誘発してしまったらしい。

KOSS A200ユニット

一番手っ取り早い解決手段は振動膜と保護プレートの隙間を適切に開いてあげる事である。
なので今回は0.2mmの厚紙を用意し、スペーサーを作成してみた。
このスペーサーを振動膜と保護プレートの間に挟みこみ、距離を調整しようという試みだ。
まずはスペーサーを1枚入れてみたが、ビビリ音は出にくくなったものの、突発的に音量が上がり振動膜が大きく動いた際に若干のビビリ音が発生する。スペーサー1枚だけでは解決こそしなかったものの考え方自体は間違っていないようだ。
次に2枚目を入れてみる。するとどうだろうか、ビビリ音はほぼなくなったと言ってよい状態まで持っていくことが出来た。
左右の音量レベルもかなり安定しており、これならば十分に使用に耐える状態であろう。だがしかし、スペーサーの材質が厚紙であるため保護プレートを押し込む際に均一に力を掛けないと部分的に沈んでしまうと言う問題が懸念される。ここはそのうちプラスチック製のスペーサーを作って交換すべきであろう。そのうちやる。

KOSS A200スペーサー
現合で作ったので若干歪なのはご愛嬌。

さって、折角修復ができたので早速視聴してみたところ、割とドンシャリ系な音がするものの非常に良い音で鳴ってくれる。曲調によってはサ行がやや耳に刺さるものの、シャープな気持ちの良い鳴り方をしてくれる。
音場は広く楽器によってはどこまでも広がっていきそうな感じさえ受よう。
発売より10数年経った今でも十分通用しそうな性能だ。ダイナミック型のフラグシップモデルとしても良いのではなかろうか。KOSSには是非ともこのシリーズの再販をお願いしてみたい。ちなみにESP/950だけは現在も生産しておりやろうと思えば購入する事も可能である(※3)。

KOSS A200シリーズ
左からA/130,A/200,ESP/950

※1 かつて存在した三洋電機のオーディオブランド 左右対称のロゴがカッコよかった。
※2 先日電池を入れ替えたばかりなので、すこぶる調子が良い。
※3 発売から20年近く経とうとしているが、今だ日本未発売である。個人輸入がおススメ。
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